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この連休、実家(金沢)に帰省した私。金沢21世紀美術館とオーケストラアンサンブル金沢のコラボレーションコンサート「music@rt」があると知り、張り切って出かけました(4/29)。

内容は、金沢21世紀美術館の山崎つる子さんの展示室で弦楽四重奏を聴くというもの。曲は清水目千加子、ペルト、ウェーベルン、ショスタコーヴィチ。天井が12メートルもある真っ白な空間に作品が展示される中、とても音が響いてアートな気分を満喫しました。企画を実現させた金沢21世紀美術館とオーケストラアンサンブル金沢に感謝。

当日、アンケートなどフィードバックの機会がなかったので思ったことをいくつか。

まず、プログラムに「普段クラシック音楽に触れる機会の少ない人に気軽に音の美しさを体験してもらう」とありますが、せっかくのコラボレーションなのにこれはもったいない。そういう設定をしたとたんに、場を提供したことでよしとするプロダクションの中身そのもののゆるさを往々にして私は感じます。やはりコラボレーションならではのインスピレーションを与えるという気概でがんばってほしいです。

次に井上道義音楽監督のトーク。トークがあるとうたう以上、場つなぎ的にしゃべるのではなく、彼にしか話せない話をしてほしかった。きっと他のお客さんもそれを聞きたくてわざわざ整理券をもらいに並んだと思います。

この企画は今回が第1回で、次回以降は企画中とのこと。今年度8回の開催を予定しているそうです。面白い企画が出てくることを待っています。
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ザ・リッツ・カールトン東京がオープンし話題になっていますが、「リッツ・カールトン20の秘密」という本を読みました。

この本は、たまたまザ・リッツ・カールトン大阪で開かれたセミナーに参加された女性の方が、リッツ・カールトンのホスピタリティにインスピレーションを得、それを機会に世界に約60もあるリッツ・カールトンを訪ねた体験がもとになっています。「ある日突然、思いもかけず、目の前に」機会がやってくるという文章に、その通りだと思いました。

リッツ・カールトン20の秘密―一枚のカード(クレド)に込められた成功の法則 リッツ・カールトン20の秘密―一枚のカード(クレド)に込められた成功の法則
井上 富紀子、リコ・ドゥブランク 他 (2007/04)
内容的にはいろいろなところで紹介されているクレドの話で目新しさはないです。
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私はもともとオペラが好きで、60歳までとにかくいっぱい観て自分の中で蓄積をして、60になったら一気に開陳して、周りから

「うるせえ、このくそババア!」

と言われるくらい一家言もちたい(言葉悪くて失礼)と、せっせと劇場通いをしておりました。

それが、こんなところでとんだ脱線。

オペラ通計画返上で、アメオケの応援をしているとは。しかも60歳までひたすら貯めるつもりが、既にいろいろはき出してしまっていて、これでは60になった時のインパクトが弱い!本当に思いもかけないことが起こるものです。

私にとってサンフランシスコ交響楽団は、オーケストラが社会的存在として機能しているという点と、地元の人々にとても応援されているという点、そして音楽を聴くことが楽しいと思えるという点の3つにおいて、今まで私がイメージしていたオーケストラとは違っており、カルチャーショックだったのです。そしてリーダーシップについて書かれた経営学の本から抜け出てきたかのようなMTTのキャラクターと、完璧かと思うくらい練り上げてあって、一致団結している音楽が驚きでした。

こうなったらとことん脱線しようと思っています。
絵巻ものを見ているようです。

Mahler: Symphony No. 3 [Hybrid SACD] Mahler: Symphony No. 3 [Hybrid SACD]
Gustav Mahler、 他 (2003/03/18)
San Francisco Symphony
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3番も評価が高いですが、ひたすらにいろいろな風景を息長く描いている演奏です。とても風や光を感じます。

一貫して歌が流れているのを感じますが、終楽章でそれがこれ以上ないくらい繊細なものから始まり、ラスト壮大に歌いあげる流れが、MTT節です。このメロディーの歌わせ方や見せる風景が、彼の音楽で私が好きなところの一つです。

カップリングされている「亡き子をしのぶ歌」も素晴らしい。歌にオーケストラが自然になじんでいて、一つの作品として完成しています。
音楽の旅が盛況だという新聞記事を読みました。確かにうちの近所のショッピングセンター内の旅行代理店にも、今や海外でオペラやオーケストラコンサートに行く旅のパンフレットが置いてあります。すごい!

やはり何かしら体験がプラスされるというのは、旅の思い出を倍加させるので、皆さんぜひぜひお出かけくださいと私も言いたい。

しかし、この手のパンフレットを見ていていつも思うのですが、ツアーで提供されるオペラやコンサートのラインナップが、(仕方がないのかもしれませんが)「多数決の結果」みたいなチョイスで、私はお客さんに思わず「本当にそれでいいの?」と声をかけたくなります。

本来、音楽の好みなんて人それぞれで細分化されてしかるべきなのに、せっかく奮発して出かける旅行で、人に選んでもらったものを観るなんて。しかも20歳そこそこの若者ならいざ知らず、50・60歳台の方々がおすすめどおりに皆で同じものを鑑賞している。これが「こだわりの旅」の内容とは、何とも逆説的。

皆で同じものを観るより、銘々が好きなエンターテインメントに出かけて、感想を報告し合う方がずっと盛り上がるし、人の意外な面が垣間見れたりして面白い。おすすめです。
KEEPING SCORE | 2007/04/23(月) 12:00
American Public Media のサイトを見ていて「American Mavericks」という番組を見つけました。これは、2003年にティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団が制作した番組なのですが、「The MTT Files」放送記念で再紹介しているようです。

Mavericksとは、独自の路線を行く人という意味で、20世紀のアメリカの作曲家の軌跡を紹介する番組です。今生きている人たちの最近のインタビューが49人、過去のインタビューが25人、作曲家が語っているものが14件とすごい量です。この他にも作曲家が作品や用いている楽器について語っている映像とか、ティルソン・トーマスとのトークなど、様々な切り口で紹介する内容になっています。

アメリカ作品に力を入れているとは思っていましたが(彼らのツアーの記録にも、はっきり「アメリカ作品を取り上げる海外ツアー」をやっていると書いてあります)、ここまでやっていたとは。

思えば、「The MTT Files」もKEEPING SCOREのウェブコンテンツも、さらに言えばマーラーのCDもことごとく、「よくそこまでやるねぇ」の連続。何をやってもサプライズがつくくらい徹底しているMTT。

そして徹底した人は、徹底した人を引き寄せる。私も徹底して応援しています。

これからもmaverickでmarvelousなMichaelはゆく!

American Mavericksウェブサイト
ずっと待っていた、昨年のザルツブルグ音楽祭の「モーツァルト22」の国内盤 DVD BOXが出るそうです(6月発売)。

バラ売りを買いたくなるのをじっと我慢し、「国内盤は本当に出るのか?」という疑問を抱えながらも待っていて良かった。輸入盤の倍の価格というところが引っかかりますが、オペラの英語字幕(こちらも翻訳されている)は見ても、よくわからない。日本語字幕を見ても実はよくわからないのですが、それでも知らない作品は、日本語字幕がある方がいい。

ずっと前に知らない作品を海外の劇場に観に行くことになり、いろいろ資料を探したけれど入手できず、まあ観ればわかるだろうと出かけたところ、最後まで何の話かわからなかったことがあります。オペラは舞台セットと演技があるからビジュアルでわかるという考えは甘い!

22作品も実際に観るかといったら「?」ですが(私が現地で観たのは結局、コジ・ファン・トゥッテ、ミトリダーテ、皇帝ティートの慈悲、ツァイーデ/アダマの4つ)、次のメモリアルイヤーまで34年あることを考えると、買いかなと思っています。


3月のロンドンのコンサート評で、ティルソン・トーマス(MTT)&ロンドン響の「復活」について、

「眼鏡をかけ、髪がグレーになっても、本質的にカリフォルニア人であるMTTの音楽は、ハイパワーで、汚れがなく、華々しい」

というのがあり、笑ってしまいました。文脈的にはほめているのですが、欠点に対する指摘と表裏一体的な表現の微妙さと、言い当てているところに。これは要するに、

「MTTはどこまでもMTT」

ということでしょう。私もそう思いますし、それでいいのだと思っています。

ここで指摘していたのは、テンポの遅い楽章が本当に遅い、あくのなさ、きれい過ぎる点、舞台上の彼が役者のようだという点。彼の見た目に、何かそぎ落とされたすっきり感が漂っていることも指摘してありました。

皆思うところは見事に同じ。そしてこれから先、多分何をやっても、指摘されることは変わらないのでしょう。なぜなら、

「MTTはどこまでもMTT」だから。

こちらの記事を参考にしました
ティルソン・トーマス(MTT)のリーダーシップを絶賛している私ですが、私よりも先に雑誌「ハーバード・ビジネス・レビュー」が取り上げていました。

「リーダーシップ・バリューの創造」というテーマ(ダイヤモンド社の日本版では2005年03月号)で、18人の識者から感性のリーダーシップを学ぶという特集の、その18人の一人として登場していました(他は皆経営者か大学教授)。

ティルソン・トーマスの話の要旨は、次のような内容です。

音を出すのは自分ではなく、オーケストラの皆であるから、彼らに納得してやってもらうことが大切。皆の気持ちを一つにして音楽を一つにすること。メンバー一人ひとりのコンディションまで気を配る。指揮者だけが全体の音を聴ける立場なのだから、客観性と全体把握が重要。

指揮者に対する信頼は、指揮者が誰よりも深いスコアリーディングをしているということに対する信頼と、舞台上で指揮者が発する情報を信じてゆだねてもらう信頼の2つから生まれると考えている。

私はこれを読んだとき、ビデオで見た彼のもの言いや出てくる音楽そのものの内容だと思いました。彼が我を忘れたりキレたりしないのも当然という発言内容ですし、彼の口から出る「誰よりも深いスコアリーディング」という言葉、迫力あります。

先日、彼について先入観がない状態でKEEPING SCOREを観た方(男性)に、MTTについての感想をお聞きしたら、「この人についていきたいって思わせるところがある人」というお答えでした。ちなみにサンフランシスコ交響楽団の印象は、

「あのオーケストラの人たち、とても楽しそう!」

ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団は今年、2回もヨーロッパツアーに出ますが、毎年この調子なのでしょうか?今までの主なツアーを見てみましょう。

1996 同コンビによる初のツアー。N.Yとヨーロッパへ。3週間で7ヵ国、ソリストはムター。
1997 日本と香港へ。ソリストは竹澤恭子。
1998 ガーシュウィン生誕100年記念の国内ツアー。
1999 4週間のヨーロッパツアー。ソリストはアップショウ、シャハム。
2000 ヨーロッパへ11都市13公演の音楽祭ツアー。ソリストはアルゲリッチ、グリモー。
2001 東海岸ツアー。カーネギーホールでSFSコーラスとともにストラヴィンスキーの「ペルセフォーヌ」(CDになった曲)
2003 ヨーロッパ10都市15公演。ソリストはハーン、ボニー。
2004 ヨーロッパ6都市8公演。ソリストはアンスネス。
2006 初の中国公演。ヨーロッパはルクセンブルク、ルツェルンへ。ソリストはグリモー。

こうやって見てみると、ほとんど毎年大きなツアーをやっているようです。やはり実際にライブを聴いてもらわないと。

彼らのツアーは、オーケストラメンバーにスタッフ、そして彼らの家族(子どもが小さい場合はあまねく子連れ)、ボードメンバーに支援者による応援ツアーのご一行と、ものすごい人数です。

それも何だかサンフランシスコ交響楽団らしいです。
テーマ:アメリカを音楽で表すと? その2

コープランドを題材にアメリカのクラシック音楽を考えるというテーマの後半部分で、モダニストからポピュリストへの転換とそれ以降を扱っています。

モダニストとして猛威(?)をふるっていたコープランドに転機となったのは、社会情勢の影響もあって、労働者などの普通の人々の生活とアーティストとしての自分との距離を考えるようになったことでした。そこからプレーンでシンプルな音楽へと転換していきます。

ティルソン・トーマス(MTT)は、コープランドの音楽はアメリカのランドスケープを描いていて、そしてこれを取り上げている作曲家は他にもたくさんいるけれど、他と違うのは、人々の感情を取り込んでいる点にあると考えているそうです。今コープランドの作品で多く演奏されているのは、第二次大戦前~戦争中に書かれたものが多く、それは人々に肯定的な感情やアメリカ人であることの良い部分を感じさせる作品であるとのこと。

今回のラジオ版では、テレビシリーズでは取り上げなかった映画音楽や「アパラチアの春」以降の作風についても触れています。

アバンギャルド作品の「Symphonic Ode」のニュー・ワールド交響楽団の初回リハーサルの様子も公開しています。これは大変な難曲なそうですが、さすがの将来を嘱望されている若者たちも自信なさそうに弾いていて、途中崩壊。それでも声のトーン一つ変えることなく作品の構造を淡々と説明するMTT。

それにしても、ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団コンビに「ビリー・ザ・キット」や「エル・サロン・メヒコ」は非常に似合っています。ヨーロッパツアーでも平然とこういうのをやればいいのに!

ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団が参加するベルリン音楽祭のプログラムが発表になりました。

9月5日 場所:フィルハーモニー
アイヴス:交響曲第3番
マーラー:交響曲第7番

この音楽祭、8/31~9/16の期間中に集中的にコンサートがあります。オーケストラは、ベルリンの5団体と他からの参加が6団体で13公演(ベルリンフィルが3回ある)。この他にオペラの新作が1公演、アンサンブルが2公演あります。

プログラムでは、Varèse(フランスの作曲家)とアイヴスを取り上げるものがそれぞれ4つずつあるところが特徴でしょうか。

ベルリンはオーケストラが5つもあって、東京・ロンドンと並ぶ激戦区。短期集中でいろいろなオーケストラを聴けるという点が、この音楽祭のメリットでしょう。ティルソン・トーマス(MTT)は、ベルリンではマーラーを出してくるような気がしましたが、やっぱり来ました。

サンフランシスコ交響楽団以外のエントリーだと、メッツマッハー&ベルリン・ドイツ響、ルイージ&シュターツカペレ・ドレスデンあたりを聴いてみたいです。

ベルリン音楽祭ウェブサイト
ティルソン・トーマス(MTT)の指揮姿を見るのは楽しいです。私は彼のコンサートにも行ったことがなく、マーラーの録音しか聴いていなかったので、初めてその姿をビデオで見たときは、録音からイメージしていたものとのあまりの違いに結構な衝撃でした。

彼の指揮はいわば、「魅せる」ための指揮です。

KEEPING SCOREのビデオを見ても、リハーサルで音楽を作る段階と本番とでは、明らかに違います。

本番の彼は、お客さんに見て楽しんでもらうことを強く意識した指揮です。

何かアイドルの振り付けのように、ここではこうやるというのがあらかじめ決まっているかのように要所要所のアクションが決まっていきます。そしてすべてが流れるようにしなやかです。

これは今でこそパーソナリティと一体化してしまっているけれど、若いときは絶対に鏡の前で練習したに違いないと私は踏んでいます。もし天然であそこまでできるのだとしたら、天才です!
MTTを研究する | 2007/04/15(日) 12:00
「The MTT Files」の第2回では、ティルソン・トーマス(MTT)が一つのメロディーをユダヤ風とかアフリカ風に歌ってみせるシーンがあります。KEEPING SCORE「春の祭典」のドキュメンタリーでも、ロシアの民謡を歌っていました。

これが、いきなり地声で歌い出すものだから、かなりインパクトがあります。本人にも自覚があるようで、歌い終わった後にわびを入れています。

彼は声楽のレッスンには通わなかったのでしょう。

彼の経歴を見ると、少年時代は科学者志望で、南カリフォルニア大学で鉱物学や生化学を修めたとあります。

何だか似合います。一つのことをずっと探求するという点では音楽家と変わらないから、科学者でも成功したかもしれません。

KEEPING SCORE | 2007/04/13(金) 12:00
ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団の「The MTT Files」は、2回にわたって「アメリカを音楽で表すと?」をテーマにしています。

このテーマで意外だったのは、アメリカでもヨーロッパのクラシック音楽は輸入されたものだという認識があり、常にアメリカのクラシック音楽とは何か?を探り続けてきた歴史があるという点です。

というのも、日本ではクラシック音楽は日本などのアジアではよそから入ってきたものだから、本家ではないという思いがどこかつきまとっています。

でも日本だけでなく、アメリカでも輸入されたものだという思いがあった。

本家だと自信をもって言えるのは、イタリアの人たちでしょうか?ドイツ・オーストリア圏の人たちも思ってそうですが、イタリアから見ると「違う」のかもしれません。

そう考えると、クラシック音楽というのは、他から入ってきた音楽と、それがその土地土地で発展したものの集積であって、クラシック音楽というくくり自体はコスモポリタンなのかもしれません。

実は本家ではない人たちだらけ。きっと文化というのは、そういうものなのでしょう。
ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団の6月公演で、マーラーの交響曲第7番のコンサートが追加公演されることになりました(6/10)。

他の公演日は完売で、要望が多かったとのこと。あれだけ公演数があって、さらに追加公演をやるというところに驚いてしまいますが、マーラーの7番を聴きたいという気持ちはよくわかります。グラミー賞のお祝いの意味もあるのでしょう。

6月はこの他にも、プロコフィエフのフェスティバル(11日間で4プログラム/7公演)があり、こちらもロシアンフレーバーたっぷりのサイトができました。
こちら

それにしても聴く方はいいとして、1回ごとのコンサートに精神を高めていかなければならないミュージシャンって、大変なお仕事だと思います。
テーマ:アメリカを音楽で表すと? その1

2回に渡って音楽におけるアメリカらしさとは何か、コープランドを題材に探ります。テレビシリーズでも取り上げたコープランド。ティルソン・トーマス(MTT)にとって、この作曲家から受けた影響と作品の存在がいかに大きいかが窺われます。

ここでのMTTの問題意識は、アメリカにとってクラシック音楽は、ヨーロッパから輸入されたもので、これらの流入してきたものとアメリカで発展したクラシック音楽があるということ。そして後者はまだ100年くらいの歴史しかないのだが、これを築きあげるのに大きく貢献したのがコープランドだということ。そしてMTTがコープランドがそれまでのアメリカの作曲家と違うと考える理由は、彼の音楽がアメリカらしさを表現したものだから。ではどういう点がアメリカなのか、音楽を聴いて考えてみようというもの。

第1回目は、コープランド以前のアメリカのクラシック音楽がどうであったかということと、コープランドが前衛音楽に傾倒した初期の作品にスポットをあてています。

コープランドが触れたユダヤやアフリカ系などの様々な音楽とはどういうものだったのか、そういういろいろなものが混ざり合ったアメリカで、どう独自の音楽を形成していったのか。たくさんの例を聴いたり、MTTがピアノで表現して見せたり、(地声で)歌って見せたりしながら番組は進みます。

ハイライトは女声コーラス曲「不道徳」のリハーサルと全曲演奏。少女合唱の皆さんに、MTTがユダヤのイントネーションを伝授しているシーンが面白いです。

エピソードもいろいろ披露していて、彼が中学のオーケストラでオーボエを吹いていたとか、10代の頃、家で前衛的なピアノ曲ばかり弾いていたら、「そんな音楽誰が聴くんだ!」と親に言われたとか、盛りだくさん。

言わば、コープランドを題材にアメリカの歴史を考えるという内容で、興味深いです。
ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団が参加するエディンバラ・フェスティバルのプログラムが発表になりました。

8月29日  場所 USHER HALL
Copland: Fanfare for the Common Man
Seeger: Andante for Strings
Adams:Short Ride in a Fast Machine
Prokofiev: Piano Concerto No 3(Yefim Bronfman Piano)
Tchaikovsky: Symphony No 1 ‘Winter Daydreams’

8月30日  場所 USHER HALL
Strauss: Final scene from ‘Salome’( Deborah Voigt Soprano)
Mahler: Symphony No 7

このプログラムを言い表すならば、

「アメリカンで輝かしい、サンフランシスコシンフォニーの世界へようこそ!」

といったところでしょうか。一回のコンサートの曲数が多いですが、それよりも、この2日間でサンフランシスコ交響楽団のすべてがわかるといっても過言ではないくらいの盛り込みようがすごい。

エディンバラ・フェスティバルに行ったことはありませんが、実験的で意欲に富んだイメージがあります。このプログラムを見ても、主催者側がどんな団体にどういう方向性のプロダクションを出して欲しいのか、個性をきちんと打ち出したフェスティバルであるということがうかがえます。

そして、今回4つのフェスティバルに参加するサンフランシスコ交響楽団。フェスティバルの個性に応じてプログラミングに変化をもたせ、

「これがサンフランシスコシンフォニー」

といえるものを揃えられる、ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団12年の重みを感じます。

エディンバラ・フェスティバル ウェブサイト
MTT&SFS雑記 | 2007/04/09(月) 12:00
ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団の音楽を聴いたり、活動を見て思うのは、彼らとサンフランシスコの街がとても似合っているということです。まさにあの街にしてこのオーケストラあり。

デイビス・ホールの外観やインテリアをはじめ、ティルソン・トーマス(MTT)というキャラクターも、彼らの選曲やサウンドも、どれも明るくてスタイリッシュ。白と青のイメージです。

そして街の規模も、他がやっていないような試みをやるのにちょうどよい大きさなのかなと思います。大都市のオーケストラだと、あそこまで思い切ったことはできないのかもしれません。

街に似合うって、とても素敵だと思います。


サンフランシスコの魅力にはまった方がここにも。
カリフォルニアごぱん カリフォルニアごぱん
椎名 彩木 (2007/02)
カリフォルニアとありますが、主にサンフランシスコで出会った味の数々を紹介している本です
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新国立劇場の愛称が、「オペラパレス(OPERA PALACE Tokyo)」に決まりました。オペラハウスにふさわしい「品格のある」「華やかさ」などを表しているそうです。

やはり愛称には、それ自体が持つイメージがあると思います。

例えば、「MTT」。

これは、もちろん名前が長かったという事情もありますが、彼がバーンスタインの「レニー」やレヴァインの「ジミー」ではなく「MTT」になったのには、やはり彼のパーソナリティが影響しているような気がします。

では、「MTT」が持つイメージは何か?

私が思うに、彼のスタイルが徹頭徹尾貫かれていて、有無を言わせない感じでしょうか。
親しみやすさというよりは、彼の音楽やまとっている雰囲気のクールさなのかなと思います。

さて、「オペラパレス」。

この愛称が起爆剤となって進化を遂げられるよう応援しています。
テーマ:それは音楽といえるか?

KEEPING SCOREラジオ版の「The MTT Files」。ラジオ版は毎回ゲストがいるというから、軽いトーク番組なのかと思ったら、、、甘かった。

これは、テレビシリーズよりも何倍もハイパーなMTTワールドです。1時間びっちり、余計なことは一切なしに音楽の話をしています。しかも、音楽と彼の語りが交互に出てくるのですが、語りがあまりに淀みなさすぎて、あっけにとられます。

さらに、テレビシリーズの時も思いましたが、この番組に台本はあるのでしょうか?何を話すかは、MTTの頭の中でしかわからないような内容(だから「MTTファイル」)。言葉を選んだり、考えたりしている間が全くありません。

こういうインパクトある番組ですが、内容は「今までそういう切り口で考えたことはなかった!」というもので、面白いです。

音楽とノイズの境目は何か、音を聴いてリスナー自身が考えてみようというもの。

まず、音楽がどう発展してきたかをグレゴリオ聖歌から簡単にたどります。

次に、音楽以外のものを音楽の中で表現しようとする試みは、古くからあったという例を聴きます。

そして20世紀になり、録音技術や電子音楽の発達でノイズを使った表現が多様化したと展開します。

この20世紀の部分が、ものすごいサンプル量です。

最後にスティーブン・マッキーが登場し、ジミー・ヘンドリックスなどの影響や、自分の音楽におけるノイズ(彼はノイズと思ってないそうですが)について語ります。

彼がサンフランシスコ交響楽団で初演したという曲(KEEPING SCOREに映像だけ入っている)が、とても面白そう。MTT&SFSのキャラクターにぴったりです。

いろいろな音楽的バックグラウンドを持っている人たちに、様々な角度からクラシック音楽の楽しみを伝えようというKEEPING SCOREプロジェクト。わが道をゆくMTT。次回以降も楽しみです。 
ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団のKEEPING SCOREプロジェクトは、ラジオ版の「The MTT Files」が4月から始まりました。

このプロジェクト、昨年秋のテレビシリーズから始まり、DVDの発売、ウェブサイトの公開、教育プログラム、ラジオ版と来ました。

こうコンテンツが揃ったところを改めて見ると、本当に一大プロジェクトだと思います。

そしてテレビシリーズがいろいろな国で放送されたり、ウェブで誰もがアクセスできることを考えると、このプロジェクトの射程範囲とか波及性というものが、ものすごく大きいということを実感します。

どこの国にいるどんな人でもアクセスできる。本当にボーダーレスな社会になったのだと思います。10年前だったら、メディアが取り上げない活動を詳細に知るなんて不可能だったでしょう。

最新技術を駆使して、様々なコンテンツを出してきたサンフランシスコ交響楽団。その構想力のスケールの大きさと、実現させてしまうマネジメントの力には、感服するばかりです。
KEEPING SCOREプロジェクトのラジオ版「The MTT Files」が、American Public Mediaのサイトで聴けます。

インターネットラジオで聴けて、本当に良かったです。
技術の進歩と支援を取りつけたサンフランシスコ交響楽団の営業力に感謝!

今のところ第1回のみが聴けるようになっています。
今後、順番に感想をアップしていきたいと思います。

こちらからどうぞ
ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団のマーラーシリーズは、プロジェクト拡大に伴い、しばらくは歌曲集などが続きます。

このシリーズ、始まったときはSACDフォーマットで初のマーラー全集になると言われていましたが、その後何だかんだやっている内に、ジンマン&トーンハレが快調に出てきたりして、このままいくとジンマンの方が先に完結するかもしれません。

しかし、ティルソン・トーマス&サンフランシスコ盤はここまで来たら、もうSACD初などというのはどうでもよく、とにかく悔いのないように、やりたいようにやって!と思います。

歌曲集とか「大地の歌」は、第3番とカップリングされている「亡き子をしのぶ歌」のクオリティが非常に高いことから推察すると、期待できるのではないでしょうか。

問題は、第8番です。先延ばしされたことで期待が高まったようにも思いますが、私はちょっと聴くのがこわいです。このまま8番がない方がいいイメージだけ残っていいかもとも思います。

やはり、ケント・ナガノ盤でオーケストラも録音も素晴らしかったのに、突然歌手が叫んでしまい一気に引いてしまった記憶が強烈な印象として残っているからかもしれません。

こればかりはMTTにもコントロールできない。もっとも、サンフランシスコ交響楽団は一つのプログラムで4回コンサートをやるので、4回もあれば上手くヘッジできるのかもしれませんが。

私としては、サンフランシスコの支援者の皆様に「8番で悔いを残さない会」でも結成していただいて、歌手の人選から演奏までガバナンスを発揮してと申し上げたいくらいの心情です。



マーラー:交響曲第1番 (SACD-Hybrid) マーラー:交響曲第1番 (SACD-Hybrid)
チューリヒ・トーンハレ管弦楽団 ジンマン(デイヴィッド) (2007/01/24)
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Mahler: Symphony No. 8 マーラー:交響曲第8番
ケント・ナガノ、 他 (2005/06/14)
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今年のウィーン芸術週間には、ブーレーズ&シェローコンビによるヤナーチェク「死者の家から」が登場します。

私は、このコンビに反応してしまいます。

理由は、私が初めて買ったオペラのLDがこのコンビによるワーグナーの「指環」だったから。

当時、オペラを舞台で観たことも数えるほどしかなく、「ワルキューレ」の第一幕の最後で、音楽が終わるとともに幕がバサッと下りるのが、ものすごくドラマチックで何度も観たのを覚えています。

その頃、会社の寮に入っていたのですが、部屋で一人「指環」を観ては巻き戻しているOLって、今思うと怪しい。現在の行動パターンもその頃とあまり変わっていないような気もしますが。

どういう基準で選んだのか覚えていませんが、その時一緒に買ったのが、クライバーの「こうもり」とパヴァロッティの「ボエーム」。今となっては、LDは収録時間が短くて見てられませんが、これらのプロダクションはどれも一際鮮明な記憶が残っています。
私は、オーケストラのライブ映像を見るのが好きで、今までいろいろ見てきました。そんな中、ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団の映像を見て思うのは、オーケストラメンバーが指揮者をよく見ているように感じられるということです。

これは意識してそうなのか、それともティルソン・トーマス(MTT)があまりに派手なアクションを繰り出してくるので、思わず見ちゃうのか?

オーケストラの中には、指揮者の映像だけ見たら感動そのものなのに、よくよく音楽を聴いてみると、オーケストラは指揮者にお構いなしにマイペースというのもあったりします。

そこへいくと、サンフランシスコ交響楽団は、それはもうスカッとするくらい、MTTの動きに反応します。

KEEPING SCOREのリハーサルシーンで、彼がこういうイメージでこういう音楽にしたいと語るシーンが何度か出てきますが、ライブ演奏編を聴くと、話していた通りの音楽になっているから驚きです。

こんなに思いを実現してくれるオーケストラって、そうめぐり合わないのではないでしょうか。

彼らの一致団結感というか、音楽が一つになっているエネルギーは、すごいと思います。

プロフィール
 

潮 博恵

Author:潮 博恵
MTT&SFSの音楽センスと革新的な活動に感銘を受け、ブログを開設。

【続・徹底研究】ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団で、よりわかりやすく彼らの活動と最新情報をご覧いただけます
続・徹底研究MTT&SFS


著作権分野の英文契約書作成等の行政書士をやっています。
うしお行政書士事務所

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