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このブログは、「21世紀のオーケストラはいかにあるべきか?」を追求し、芸術面でも革新的な活動においてもめざましい成果を上げている、マイケル・ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団の音楽・活動・マネジメントを徹底研究しています。

ブログの更新は終了しましたが、以下の【彼らを知るための10のサマリー】で概要をすべてご理解いただけるようになっています(トップページでスクロールして一気に読めます)。さらに詳しくお知りになりたい方は、各カテゴリーの記事へどうぞ。

一人でも多くの日本の皆様が、彼らの音楽と活動の素晴らしさを楽しめる日が来ること、またティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団が芸術・活動の両面にわたり益々進化を遂げることを心よりお祈り申し上げます。


【彼らを知るための10のサマリー】目次
1. サンフランシスコ交響楽団が意味するもの
2. KEEPING SCOREって何?
3. マーラー レコーディングプロジェクト
4. MTTから学んだこと
5. アメリカンはゆく
6. クラシック音楽が楽しいとはどういうこと?
7. 地元密着オーケストラ道
8. 至上命題、若い新規顧客を開拓せよ!
9. オーケストラは街の教育機関
10.経営プロフェッショナル
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ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団の活動は、彼らが掲げているとおり「21世紀のオーケストラはいかにあるべきか?」を追求するものです。

したがって旧来の常識にとらわれない彼らのこの姿勢は、音楽の方向性、レパートリー、観客への音楽の提供の仕方、地元の音楽ライフの質を上げることなど、彼らの活動の全てに貫かれています。

オーケストラの役割を考えるとき、ヨーロッパのように公的な援助の占める割合が高い環境であれば、伝統的なクラシック音楽を一定のクオリティで安定して提供することこそが最も求められることなのかもしれません。そうだとしても公的援助は削減傾向にあり、客席を見渡すと観客の高齢化は進行、活路をどこに見出すか難しい局面を迎えています。

他方、アメリカのオーケストラは主に民間の支援で成り立っているため、安定した演奏だけではもはやクラシック音楽への支持は得られません。オーケストラの存在意義を必死に社会にアピールする必要があるのです。そこで彼らはオーケストラの存続をかけて、幅広い聴衆に門戸を広げ、地域社会へ貢献するという方向によりシフトした活動を展開しています。

サンフランシスコ交響楽団はそうした中にあって、単なる芸術団体から「地元の音楽ライフの中心機関」への進化をめざして先頭を走っているオーケストラです。

彼らの音楽や活動は、とにかく明るくて楽しい。これは米メジャーリーグが球場に行くこと自体が楽しいとか、アップルのiPhoneが買うことも使うことも楽しくできているとか、そういうこととよく似ていると思います。サンフランシスコ交響楽団は、地元のお客さんと継続的な信頼関係を築き支持を得るために戦略的に考え行動しているのです。そこには日本でも参考にできることが多々あります。

また彼らを見ると、オーケストラの成功は、芸術と経営両面の成功、プラス地元の経済的基盤の3つが揃って初めて実現されるということがよくわかります。

そしてティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団の音楽と活動を知ることは、私たち日本人にとっても、どんなオーケストラが、どんな音楽を提供してくれて、またどんなスタイルで音楽を聴く機会を持てたら、より音楽を楽しむ生活を送ることができるのかを考えるきっかけを与えてくれるのだと思います。
KEEPING SCOREは、クラシック音楽の楽しみをより多くの人に広げるために2004年から彼らが展開している一大プロジェクト。現在も継続中ですが、このような大きな取り組みは、今世界を見ても他にありません。

内容はテレビ、ラジオ、ウェブ、DVD、教育プログラムのメディアミックスで展開されています。各々ご紹介しましょう。

1.テレビ
ドキュメンタリーとライブ演奏がセットになっており、PBSテレビで全米に放送されました。その後既にヨーロッパや中国でも放映され、350万人が視聴したそうです。内容はDVDで見ることができます。各コンテンツの詳細はDVDの項をご覧ください。次回のテレビシリーズは2009年。

2.ラジオ「The MTT Files」
ティルソン・トーマス60年の音楽人生を大放出した1時間のラジオ番組が8回のシリーズ。MTTが交流した偉大なアーティストとの思い出をはじめ、アメリカ音楽、教育など彼の関心領域について音楽を紹介しながら大いに語っています。これを聴けば、MTTが今の音楽にどうたどり着いたのかをうかがい知ることができます。

The MTT Filesはこちらからどうぞ

3.ウェブサイト
テレビシリーズと連動したウェブサイト。作曲家に歴史からアプローチするコーナーと音楽面からアプローチするコーナーで構成。音楽面では曲を聴きながらスコアを見ることができ、テレビシリーズで取り上げた要素の表示や解説もあります。より詳しく多角的に作品に迫った力作。ぜひご覧ください。

ウェブサイトはこちらからどうぞ

4.DVD
現在4枚がリリースされています。

mtt on music(チャイコフスキー:交響曲第4番)
Keeping Score: Mtt on Music Keeping Score: Mtt on Music
San Francisco Symphony、Thomas 他 (2005/03/08)

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クラシック音楽は人間の営みに直結した普遍的なものであるということを、チャイコフスキーの交響曲を単純なものに還元するという手法で伝えています。彼らの活動や音楽づくりも大公開。彼らを知る入門編としておすすめです。

ベートーヴェン「英雄」
Keeping Score: Eroica Keeping Score: Eroica
Beethoven、Sfs 他 (2006/11/14)

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ソナタ形式の交響曲というスタイルを取り上げ、どういう要素で音楽が作られているのか、それ以前の音楽とどう違い、それ以後の作曲家にどういう影響を与えたのかについて、ベートーヴェンの足跡をたどりつつ紹介。彼らの音楽的実力も知ることができます。

ストラヴィンスキー「春の祭典」
Keeping Score: Rite of Spring Keeping Score: Rite of Spring
Stravinsky、Sfs 他 (2006/11/14)

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あの革新的な音楽は、ストラヴィンスキーがどういう教育と環境を経て、何を意図して作り上げたのか、その音楽のどこが革新的なのか?ストラヴィンスキー本人に大きな影響を受けたMTTがエネルギッシュに語ります。音楽の魅力を伝えるとはどういうことなのかという観点からも見逃せない一枚。

コープランドとアメリカンサウンド
Keeping Score: Revolutions in Music Keeping Score: Revolutions in Music
Copland、Sfs 他 (2006/12/12)

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アメリカのクラシック音楽を確立したコープランド。そのアメリカンサウンド探求の道のりをたどるとともに、アメリカらしさとは何かを考えさせる内容。ティルソン・トーマスの問題意識「アメリカンサウンド」と「アーティストの社会に対する責任」が網羅されており、彼を理解するためには欠かせません。

5.教育プログラム
彼らは従来から地域の教育プログラムに力を入れてきましたが、このKEEPING SCOREプロジェクトの一環として、2006年に新たに主要教科(国語、算数、理科、社会など)の授業で、理解を助けるためのツールとして音楽を用いる教育プログラムを開始しました。

授業の様子はウェブサイトでご覧いただけます。
2001年に始まったマーラーのレコーディングプロジェクト。オーケストラ自主制作盤の先駆けとなり、ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団コンビを世界に知らしめました。好評につき歌曲にもプロジェクトを拡大し、2008-2009シーズンの交響曲第8番での完結を予定。

この録音は、ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団の“今”のマーラーを伝えるという発想で作られており、自然や人間の営み・感情などのあらゆる断片がそこかしこから聴こえてくる音楽を意図したものといえます。

~各CDについて軽くコメント~

交響曲第1番<巨人>
Mahler: Symphony No. 1 Mahler: Symphony No. 1 [Hybrid SACD]
Gustav Mahler、 他 (2004/11/09)
San Francisco Symphony
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2001年に最初に録音した中の1曲で、隅々まで神経が行き届いています。特に3楽章の歌謡的なメロディーの表現が素晴らしい。

交響曲第2番<復活>
Mahler: Symphony No. 2 [Hybrid SACD] Mahler: Symphony No. 2 [Hybrid SACD]
Gustav Mahler、 他 (2004/11/09)
San Francisco Symphony
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録音の精密さ、ダイナミックさにあふれています。

交響曲第3番・亡き子をしのぶ歌【グラミー賞】
Mahler: Symphony No. 3 [Hybrid SACD] Mahler: Symphony No. 3 [Hybrid SACD]
Gustav Mahler、 他 (2003/03/18)
San Francisco Symphony
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2曲とも文句なしにコンビの良さが発揮されています。

交響曲第4番【グラミー賞:サラウンド部門ノミネート】
Mahler: Symphony No. 4 [Hybrid SACD] Mahler: Symphony No. 4 [Hybrid SACD]
Stephen Paulson、 他 (2004/11/09)
San Francisco Symphony
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究極のエレガンスさがあると思います。

交響曲第5番
Mahler: Symphony No. 5 [Hybrid SACD] Mahler: Symphony No. 5 [Hybrid SACD]
Gustav Mahler、 他 (2006/10/10)
San Francisco Symphony
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1楽章の寂寥感、2楽章の決まり具合、4楽章のMTT節、5楽章の徹底的に対位法にこだわったところなどが聴きどころ。

交響曲第6番<悲劇的>【グラミー賞】
Mahler: Symphony No. 6 [Hybrid SACD] Mahler: Symphony No. 6 [Hybrid SACD]
Gustav Mahler、 他 (2004/11/09)
San Francisco Symphony
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シリーズ1作目の気合にあふれています。

交響曲第7番【グラミー賞】
Mahler: Symphony No. 7 [Hybrid SACD] Mahler: Symphony No. 7 [Hybrid SACD]
Gustav Mahler、 他 (2005/10/11)
San Francisco Symphony
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LSO盤も素晴らしいですが、これほど明解な7番はないでしょう。

交響曲第9番
Mahler: Symphony No. 9 [Hybrid SACD] Mahler: Symphony No. 9 [Hybrid SACD]
Gustav Mahler、 他 (2005/04/12)
San Francisco Symphony
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幽玄な世界です。


歌曲集
今後しばらくは歌曲集のリリースが続く見通しですが、こちらも伴奏の固定概念を覆すようなこだわりで取り組み中。大いに期待できます。

交響曲第8番<千人の交響曲>
残るは千人。2006年に演奏会で取り上げたときには、曲の大きさにMTTもアプローチを透徹できず、歌手も3人くらい怪しかったらしいです。彼は既におよそ人間が思いつくことは全てやったとも言え、これ以上を期待するのは酷かなとも思いますが、それでもがんばれMTT!
私はここ1年のMTTウォッチャー活動で、本当に多くを学びました。中村天風の本を読んだときよりも、遥かにインパクトがありました。教育者MTTは、ファンをも教育してしまうのです。以下思うところをいくつかあげます。

努力と継続
私はティルソン・トーマスは天才だと思っていますが、それでも彼のアウトプットの98%は努力だと思います。それくらい彼の発する言葉の一つひとつや姿は努力を感じさせます。一つのことを継続してやり抜くということが如何に大切かも痛感させられました。彼こそプロフェッショナルと呼ぶにふさわしい人だと思います。

信念
ティルソン・トーマスは中堅オケだったサンフランシスコ交響楽団を鍛え上げ、ヨーロッパに出て行ってはアメリカンをやっています。その後ろ姿には有無を言わせない迫力が漂っていて、何がそこまでさせるのかと思わずにいられません。

彼はニュー・ワールド交響楽団についても、最初はただの夢にすぎなかったと語っていますが、ここまで育てたということもまた信念によるのでしょう。

平易な言葉で明確に論理的に語る
ティルソン・トーマスのビデオでの語りを見て驚いたのは、彼が力強くクラシック音楽の未来について語っていたということとともに、言葉が明確でわかりやすいという点です。これは意外にできる人が少ないのではないでしょうか。多くの人に伝えて共感を得るためには重要なのだと思います。

また彼がオーケストラメンバーに作りたい音楽について、論理的に説明していたのも印象的でした。サンフランシスコ交響楽団の音楽は、隅々までティルソン・トーマスのコントロールが効いていますが、これは彼の音楽的解釈に各オーケストラメンバーが同意した結果の総和なのです。

MTTはどこまでもMTT
MTTはどこまでもMTTで、首尾一貫した彼のスタイルがあります。それは練り上げのエキセントリックさをはじめとする音楽面はもとより、指揮の派手なアクション、ファッション、人生での選択など全てに及んでいます。そして誰も何もいえない状態まで貫き通しているのです。その強さは多くの人に元気を与えていると思います。
私がティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団の音楽を素晴らしいと思った大きな理由の一つは、彼らの音楽がヨーロッパの背中を見ていない、自分たち独自のアメリカのクラシック音楽の発展形を探求しているという点です。彼らはサウンドもレパートリーもアメリカン。

これは、ヨーロッパの背中を見てあたり前というメンタリティでクラシック音楽と接してきた私にとって目から鱗でした。

このことは日本サッカーのオシム監督が言うところの「サッカーを日本化する」ということとも合い通じているのかなと思いますし、シモン・ボリバル・ユース・オーケストラのラテン音楽などを聴いても、やはり自分たち独自のクラシック音楽を探求しているのかなと思いました。

ティルソン・トーマスがアメリカンを明確に打ち出して成功したことで、ヨーロッパからの指揮者に頼らなくても自分たちの音楽を自信を持ってやっていいと勇気づけられたアメリカのオーケストラが多く出たそうです。

彼らのこの姿勢は、日本人にとってもクラシック音楽とのつきあい方を考える上で示唆に富んでいると思います。
クラシック音楽を普段聴かない人にとってのクラシック音楽のイメージは、「古臭い」「難しい」「長い」「つまらない」といったものでしょう。新しいお客さんを呼ぶためにはこれらのイメージを払拭する必要があります。彼らの主な取り組みをご紹介しましょう。

プログラミングの工夫
ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団の革新的な活動が語られるときに真っ先にあがるのはプログラミングです。彼らはコンテンポラリーなものからクラシックの王道をゆく作品までをうまくミックスさせています。

ティルソン・トーマスはプログラミングについていろいろ試みた結果だそうですが、何か意外な発見があるもの(コンテンポラリー1曲目)、それとは全く別の切り口から表現した作品(2曲目)、骨があって満足感が得られる作品(休憩後の作品)の3つで構成していることが多いです。そして毎回プログラムを流れるテーマが何かあって、通して聴いたときにインスピレーションがあるようなコンサートに仕立てています。演奏自体がインスピレーションに富んでいることはもちろんです!

聴き手の座標軸
もう一つ彼らが工夫していることは、聴き手に音楽を聴くにあたっての座標軸をもってもらい、より音楽を楽しんでもらおうということです。

毎回のコンサート前30分間のプレトーク、ファミリーコンサートなどのトークがあるコンサート、KEEPING SCOREのドキュメンタリーなどは皆この座標軸をもってもらうための仕掛けです。

では何が座標軸になるかというと、その作品が音楽史上どういう系譜に位置するかなどの過去との関係、作品を特徴づけている要素や作曲家が工夫した点は何か、演奏家が特に聴いてほしいところの指摘などです。

あくまで本物を聴かせる
クラシック音楽の裾野を広げるというと日本では名曲中心、時間短めのコンサート、有名人のトーク付などの企画が多いように思います。彼らも夏の野外コンサートなどでは軽めの内容だったりしますが、シーズン中はあくまでシンフォニーが提供できる最高の音楽を提供することに徹しています。難しくても取り上げる代わりに聴き手がよりどころにできる座標軸を提供しているのです。これは子どもがいるファミリーコンサートでも同じ。子ども向けプログラムではありません。
サンフランシスコといえばサンフランシスコ・ジャイアンツですが、サンフランシスコ交響楽団も野球と同じくらい多くの人に愛されることを目指してがんばっています。

継続的な信頼関係
地元密着とはどういうことか?私が彼らを見て一番感じたことは、「継続している関係」であり、そこには「信頼」が欠かせないということです。これは東京に住み、1回の公演を各々独立したものと捉えていた私には新鮮でした。

彼らのビジネスは全て、生活に近いところにシンフォニーがあって、何度も聴くオーケストラだという関係。そしてシンフォニーに行くと何かインスピレーションが得られて、生活のアクセントになるということをお客さんが思ってくれているという信頼の上に成り立っているのです。

だからデイビスホールは客席の空気があたたかい。

地域での無料コンサート
彼らは地域への貢献に対するコミットメントとして、年に3回程度地元の公園などで無料の野外コンサートを開いています。またこれ以外にも地域の様々なイベントにシンフォニーは欠かせない存在として活躍しています。

ボランティア大活躍
サンフランシスコ交響楽団の活動を支えているのは、多くのボランティアです。デイビスホールのシンフォニーストア、ご案内係、ボックスオフィスのスタッフ、リセールストア(日本でいうところのリサイクルショップ)、オープンリハーサルのホスト、教育プログラムの講師、イベントスタッフ、オフィスでの事務など、ボランティアの活動領域は広く、幅広い年代の方が活躍しています。

オーケストラメンバーは地元の顔
彼らは様々な場面でオーケストラメンバーを露出し、地元の人に顔と名前を覚えてもらうよう努力しています。最近ではその成果もあり、オペラグラス持参でコンサートにくるお客さんが何人もいます。

オーケストラメンバーが単独でも登場するのは、スペシャルイベントなどでのお客さんとのコミュニケーションの機会をはじめ、プログラムの表紙、KEEPING SCOREのドキュメンタリー、トーク付コンサートでのトーク、地元の新聞など。

チャイナタウンの街
サンフランシスコには全米最大規模のチャイナタウンがあります。シンフォニーでも毎年恒例の春慶節をお祝いするコンサートを開催しています。また最近では、彼らの重点地域であるサンノゼのGoogle本社があるマウンテンビューでも野外コンサートを開くなど、地域の動向に常に敏感に動いています。

地域一体で盛り上がる
彼らのスペシャルイベントや教育プログラムは、他のサンフランシスコの諸機関と連携して行っているものが多いです。

また彼らはウェブサイトで、コンサート後に楽しめる地元のレストランを紹介していますが、シーズンオープニングのガライベントでは、サンフランシスコの50以上のレストラン(さすがグルメの街)が料理を提供するなど、地域一体が盛り上がるような仕掛けを考えています。

多くのオーケストラ同様、サンフランシスコ交響楽団もこの命題に力を入れて取り組んでいます。

スタイリッシュ&クール
まず若い人の支持を得るということにおいて、ティルソン・トーマスの音楽センスやプログラミングがどこまでもスタイリッシュ&クールであることが大きいと思います。若い人に音楽もパーソナリティもカッコイイと思わせられるのも実力。

若い人が来るきっかけづくり
無料の野外コンサート、定期会員を入れない安めの席のカテゴリー、ヤングファミリーが家族全員で来られる値段設定のコンサート、ファミリーコンサート、定期会員の学生割引など、様々なきっかけとなる場を提供しています。

また毎年1月下旬に、シーズンの残っているチケットを期間限定で約半額で売るキャンペーンを実施。やることが思い切っています。

新しいメディアにチャレンジ
地元の普段クラシック音楽を聴かない若いブロガーをコンサートに招待するイベントなど、若い人にアクセスできる場を積極的に利用。常に新しい試みをやっています。

若手による支援組織
ニューヨーク・フィルがマンハッタンのヤングエグゼクティブをオーケストラの支援者に取り込む活動は有名ですが、サンスランシスコ交響楽団も地元の30~40歳代のビジネスパーソンによる支援組織があり、交流会のようなスタイルで様々な活動をしています。

サンフランシスコ交響楽団の地域社会への取り組みの中でも中心に位置するのは、教育プログラムです。彼らは昔から先進的な取り組みをしているオーケストラとして知られていたそうです。

以下が主なものです。

子どものためのコンサート
年間35,000人が参加(年16回のコンサート)。対象年齢によって内容を変えている。デイビスホールでのコンサートに先立って、スタディーガイドとCDを学校へ配布し、要請があれば、講師派遣も。

Adventures in Music(AIM)
1988年から継続しているプログラム。90以上のサンフランシスコの公立小学校で、年間約24,000人の生徒が参加。他地域のモデルにもなっている。内容は、さまざまなカリキュラムを通して音楽経験をしてもらうというもの。無料で提供。

Take Note!
学校の校舎で行うシンフォニー主催の音楽の夕べ。AIMの成果であるアンサンブルなどを保護者らに披露するもの。

Bass Training Program
学生オーケストラで、コントラバス奏者が足りないという問題に対処するために生まれたプログラム。無料で提供。

KEEPING SCOREの教育プログラム
詳細はKEEPING SCOREの記事をご覧ください。

SFS KIDS SITE
子どものためのウェブサイト。アニメで音楽の基礎を楽しく学べる。

ユース・オーケストラ
参加費無料でMTTはじめ、オーケストラメンバーから指導が受けられるという豪華プログラム。
私が最初にサンフランシスコ交響楽団に興味を持ったとき、ティルソン・トーマスがビジョナリーでリーダーシップがあると思いました。だから始めは彼の力が大きいのかと思っていたのですが、その後いろいろ見たり読んだり、はたまたシンフォニーの方とお話させていただき、違うと気づきました。

サンフランシスコ交響楽団は、ボード、アドミニストレーション、MTT、ミュージシャン、地元の応援の総合力以外の何ものでもありません。

そのどれが欠けても今の成功はなかったと思います。

特にアドミニストレーションはプロフェッショナル揃いで、旧来的なオーケストラの枠組みにとらわれない新しい試みに次々とチャレンジしています。

彼らが毎年出かける海外ツアーひとつとっても、必ずプログラムにアメリカ作品を盛り込むこと、彼らの活動紹介やミュージシャンが現地のお客さんと交流する場を設けるなど特徴を打ち出しています。また著名な音楽祭に集中して参加するなど、彼らの海外での評価を高めるという目的に対して非常に戦略的です。

資金調達では、対象別、切り口別に担当を張りつけ専門化、知恵と提案力で10百万ドル単位の大口のファンドレイジングを成功させています。彼らのやり方を見ると、いくつもの方法や金額から最適な出資を選べる点、支援の依頼の仕方、資金の出し手への感謝の意を目に見える形で表すことを徹底するなど参考になる点がいくつもあります。

音楽面でも彼らは毎年6月に約2週間にわたり、一つのテーマを掘り下げるフェスティバルを行っています。これはオーケストラのレパートリーや演奏レベルをステップアップさせるためには効果的でしょうが、何人ものソリストを確保することや資金面でマネジメントは大変だと思います。それでも支援イベントやフェスティバルのムードを全体で盛り上げることでホールを埋め、継続させています。

デイビスホールは本当に客席が埋まっているし、ホール全体にサンフランシスコ交響楽団の“気”があります。これは本当に彼らの努力の成果だと思います。

彼らのプレスリリースを見ると、こんな方法があったのだという驚きの連続なのです。
この度この【徹底研究】ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団のブログの更新を終了することにしました。

記事の数も300近くなり、彼らについて皆様にお伝えしたいことをほぼ言い尽くしたため、ブログの目的を達したと判断しました。

最後に10回に分けて彼らについてのサマリーを掲載し、余すところなく語り、かつそれを見れば彼らのことがわかるという状態にして終了する予定です。

私自身は引き続きティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団をウォッチし、コンサートにも出かけます(MTTの応援するよ!)。今後はさらにステップアップした形で皆様と音楽のお話が出来ればと存じております。

ブログをご覧いただきました皆様に厚く御礼申し上げます。

潮 博恵
図書館から帰ってきた夫が私にぴったりの本を見つけた、ホレと言って一冊の本を差し出しました。

「とんでとんでサンフランシスコ」

とんでとんでサンフランシスコ とんでとんでサンフランシスコ
ドン フリーマン (2005/08)
BL出版
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この本はその図書館の夏休み推薦図書<中学生向け>だそうですが、絵本が中学生向き?ミスプリント?それとも今どきはビジュアルじゃないと読んでもらえないということなのでしょうか。

物語は二羽の鳩が主人公で、ハラハラしつつも心温まり、そして最後はユーモアで締めるという秀作。イラストにサンフランシスコの名物や名所が余すところなく登場します(表紙にもチャイナタウンの門が描かれているところがミソ)。

やはり「とんでとんでロサンゼルス」では物語にならない。サンフランシスコは街だけでストーリーがつくれちゃう街なのです。
昨日の記事で、アーティストが来日に破格のギャラを要求してくる原因の一つに、日本での評判がその後のアーティスト活動に与える影響が少ないこともあるのではないかと書きました。

これは日本公演がいわばPDCAサイクルのC(check)とA(act)がない状態で続いていて、公演の実績を来日アーティストが次に生かせる仕組みになっていないということなのだと思います。

何でこうなるか考えると、一番大きいのは単発の仕事だということですが、一つには日本でレビューがいろいろあっても日本語で書かれていることもあって、彼らに届いていない、海外に日本のレビューの影響力がないということもあると思います。だから日本公演のレビューを英語で発信していけば、日本のマーケットに対する見方も少しは変わるのではないかと思いました。

現にサンフランシスコ交響楽団の方と話をしたときに、遠く離れた日本の一般人である私が、サンフランシスコ交響楽団の音楽をどう聴いて、どこを見ているのかということに彼らはとても興味を示していました。だからきっと欧米人には拍手以外で日本人がどう感じているのか伝わっていないし、伝えないから日本を甘く見る輩が出てくるのではないかと思います。

英語でレビューを発信するのは面白そうですが、いくつか困難なことがあります。まず中立性ということを考えると、自腹でチケットを買って出かけることは不可欠なのでコストがかかる。

できればレストランガイドのミシュランとかザカットみたいに、指標的なものが出せればベターなのでしょうが、音楽は主観的なものだらけで難しい。

そして一番難しいのは、欧米人に読んでもらえる評論を書くということだと思います。彼らの評論を読むと、レトリックが結構難しい。これは平易な言葉や文章で書いたのでは権威があるように感じさせられない、頭がよく見えないということなのではないかと私は思っていますが。そして彼らはびちーっといろいろ書いていて話が長い。この点に関しては研究と修業が必要です。

今回NBS NEWSを読んだことがきっかけでしたが、評論なんて特殊な世界で、なくても困らないくらいの認識は間違いなのではないかと思いました。政治や経済と同じように第三者による事後的な評価は、健全な発展のために欠かせないのです。そう考えると、昨今のこれから公演予定があるアーティストの紹介記事だらけというクラシック音楽メディアのあり方も含めて、日本のマーケットを考える必要がありそうです。
NBSニュース2007.8の佐々木忠次さんのコラムに、来年のウィーン国立歌劇場の来日公演の演目の中で、当初ティーレマン指揮の「マイスタージンガー」の予定が、ムーティ指揮の「コジ・ファン・トゥッテ」への変更があって、これは一部歌手が現地ウィーンでの6倍ものギャラを要求してきたために、やむを得ない決断だったのだとありました。

私はムーティのモーツァルトが好きだし、コジは彼のお得意演目であるということを考慮しても、今聴きたいのはティーレマンのワーグナーだと思うので、この変更を残念に思います。

何でも来日オペラの招聘事業への新規参入組が破格の条件での実績を作ってしまうので、それをベースに条件提示されてしまうらしいです。こうした公演は大手企業のスポンサーがついているので、破格のギャラを払うことができるのだとか。全く嘆かわしいことです。

日本だけが一部の歌手に破格の金額を払っているという状況は明らかにおかしいし、その歌手のためにもならない。

もしスポンサー企業が文化を育てるという視点であれば、こうした案件は手がけないと思うのですが、企業は純粋にオペラの高級イメージに着目して広告宣伝としてスポンサーになっているだけでしょうから、あながち非難はできません。

さらにこうした行為の結果はチケットの値段にも反映していると思うのですが、消費者も外から見た限りでは、破格のギャラで呼んできた公演かどうかなんてわからない。また一流だと宣伝しているものを本当に一流か自分で見抜けと要求するのも無理。

いろいろ考えてみると、私は究極的には、歌手の側に日本で歌うメリットがお金しかないことが影響しているのかなと思います。もし日本で歌うことが歌手としてのステップアップに欠かせないと思えるのであれば、足元見て破格のギャラを要求するなんて話にならないのではないでしょうか。

お金以外の価値があると思わせるためには、聴衆の反応のシビアさとか、評論が機能していること、日本で歌った評判が海外にも伝わるかとか、そういうことの積み重ねなのでしょうが、結局は、日本の国力とか国際社会でのプレゼンス、日本人が尊敬すべき対象と見られているかとか、そういうことにつながるのだと思います。道は遠いです。

私は今年サンフランシスコ交響楽団のウィーン公演に行きましたが、東京では感じたことのない緊張感がオーケストラにありました。オーケストラの評判をかけた真剣勝負の空気がウィーンにはあるのです。彼らは現地のお客さんの反応はもちろん、評論を注視していてその結果を今後に生かすと言っていました。東京の場合、興行マーケット的な影響力はあっても、そこでの結果がアーティストの今後にとって重大だったり、評論が影響力をもっていたりはしないように思います。そういう点もヨーロッパの大都市やニューヨークなどとの違いなのではないでしょうか。

まずは日本人自身が世界を見て、客観的な現状認識をすることから始めるしかないのでしょう。
お盆で夫の実家に行ったら、本棚に25年くらい前の彼が学生時代に買ったレコ芸別冊「世界のオーケストラ」という本があり、中をパラパラ見ていたら資金調達について面白い記述がありました。

アメリカのオーケストラの音楽監督の一番重要な仕事は資金集めで、地元の社交界に入ってどれだけお金を集められるか、とりわけご夫人方にどれだけ気に入られるかが勝負だ。

というような内容でした。今も地元の社交界というのは非常に重要で、そこでのコミュニケーション能力が問われる点は同じです。

でも25年前と今とで大きく違うのは、現在は資金調達が組織力や提案力で決まるということ。そして資金の出し手も大きな額を動かす人たちはファンドを組成しているということ。

これは社会起業家(ソーシャルアントレプレナー)とか社会的事業に投資する投資家の登場などの流れを受けたものです。音楽も他の社会問題と横一線に並んで、社会的問題解決の必要性とか、社会に対する効果などの点から企画が審査されて資金を獲得してくる時代なのです。現にサンフランシスコ交響楽団のKEEPING SCOREプロジェクトに大口資金を提供したのもこのようなフィランソロピー・ファンドでした。

組織力という点では、例えばサンフランシスコ交響楽団のDevelopment部門にはスタッフが24人もいますが、彼らはファンドなどの機関投資家、行政、企業、個人などの対象別、仕組みものを企画する担当、支援者をフォローする人、キャンペーンなどの企画担当、コーディネーター、リサーチなど細かく担当がわかれていて知恵と提案力プラス気くばりでがんばっています。

そして組織力にプラスして忘れてはならないのは、社会にメッセージを発するリーダー。ティルソン・トーマスはサンフランシスコ交響楽団とニュー・ワールド交響楽団の二団体でファンドレイジングを成功させていますが、これは彼が音楽の社会に対する効果を「論理的に語れる」能力の持ち主であることが非常に大きいと思います。MTTの語りのパワーと、例えばアル・ゴアの「不都合な真実」での語りなどを比較しても、遜色ないですから。

ともかくこの25年の間に、非営利組織の経営という分野は大きく発展したということを改めて実感したお盆でした。
通っているフルート教室でご一緒させていただいている方が、ハイエンドオーディオのオーナーで、「オーディオをパワーアップさせたから、MTTのマーラーを聴きにおいで」と誘ってくださいました。期待を胸に張り切って出かけた私。

いやもう驚いてしまいました。あのディスクにあんなに情報が入っていたなんて。どこが凄かったかというと、例えば6番の1楽章の冒頭、低弦の発音。弓が弦に触れた瞬間から実際の音が発せられるまでの情報量が半端じゃなく入っていました。これはシリーズ第一弾の冒頭ということで、本当にエンジニアがこだわったのだと思います。

それから7番の1楽章、これも冒頭なのですが、テナーホルンから木管がメロディーを引き継いだところ。ここは普通に聴くとクラリネットがメインで聴こえてフルートも鳴っているくらいにしか感じない。でもハイエンドで聴くと、フルートという楽器は息が3割くらいブレンドされて鳴るのですが、その息と音の配分まで計算されてメロディーにフルートがかぶさっているということがわかるのです。ただただびっくりです。

うちで聴くとティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団のマーラーは全体的に音が軽めなのですが、意外なことに軽さも感じなかったです(軽い?薄い?軽薄?と言っていた。ごめんMTT)。

オーナーの彼は、私が「ここが最高に好き」と力説する、ビンバム(3番の5楽章)のトロンボーンが入ってくるところとか、5番の1楽章、第2主題に入るつなぎの部分。その前の付点のリズムから、次のテーマが弦のアウフタクトで入る流れ。タイタンの3楽章、歌謡曲みたいなメロディーのところ。ルバートの加減と最後に空中にふわっと浮いて溶けて消えるように聴こえるところなどの指摘と、

「今のところ聴きました?もっかい聴きましょう」を繰り返す私が面白かったそうです。

オーディオの力は偉大です。そしてこういうディスクを作ったティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団の技術チーム。あのディスクにこんなに情報が詰まっていれば、それはグラミー賞も取るでしょう。マーラーのCD一枚出すのに資金調達部隊の方々が走り回る必要もあるでしょう。

その日は東京湾の花火を見るのがメインイベントで、ゆっくり聴く時間がなかったため、後日あらためてMTTのマーラーを聴く会を催すことに。さらにオーディオパワーアップ計画もあるとのこと。気合を入れておじゃまさせていただきます!ありがとうございました。

システムの概要
[プレイヤー]
ESOTERIC DV-50
[AV/プリアンプ]
YAMAHA DSP-Z9
LINN KLIMAX KONTROL(フロント用Unity Gain)
[パワーアンプ]
LINN C5100 センター
LINN C6100 フロント高域
LINN C4200 フロント低域
[スピーカ]
LINN AKURATE 242 フロント AKTIVドライブ
LINN AKURATE 225 センター AKTIVドライブ
LINN AKURATE 221 サブウーファー
Victor SX-LT55 Limited リア
[電源トランス]
中村製作所
NSIT-1000plus プリ用
NSIT-2000plus パワー用

*補足(8/14)
この記事を読んだオーナーの彼は、「確かにボクのシステムは、普通よりは相当ハイだけれど、エンドではないんです」と言っていました。上には上がいるらしいです。オーディオの世界は奥が深い!
マーラー「嘆きの歌」のリマスタリング盤をリリースするティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団。オリジナルのCDジャケットがとても若いティルソン・トーマスの写真だったため、今回はどうするのかと思っていたら、今の写真でした。

Mahler: Das klagende Lied Mahler: Das klagende Lied
Sergei Leiferkus、 他 (1997/05/20)
RCA
この商品の詳細を見る


アマゾンにジャケットがアップされていないので、並べてご紹介できないのが残念ですが(HMVでは見ることができます)、今回の写真は今までさんざん広報用に使いまわしてきたもので、「どうする?」「あー、これ、まだCDに使っていなかったからこれでいいんじゃない?」で決まった、みたいに気合が入っていない。

こうしたパブリシティと言えば、ティルソン・トーマスは何度も同じ服で登場します。イギリスのチャールズ皇太子夫人のカミラさんも、同じ服を着てパブリックな場に登場するそうですが、逆にタダ者ではない感をかもして話題になるそうです。MTTの場合は他意はないのでしょうか?彼があまりにもブルーの服を着ているので、私はひょっとして占い師に「あなたは青い服を着ていると運が開ける」とでも言われたのかな?と思っています。

色彩心理学的には、ブルーは理知的な印象を相手に与えるのだそうですが、MTTはことさらに何かしなくても理知的に見えるかと。

ティルソン・トーマスは髪がグレーのストレートになり、眼鏡をかけたことで、イメージが穏やかになったと思いますが、彼の昔を知る人は、彼がこうなったことに時の流れを感じるらしいです。私は昔の彼を写真でしか知りませんが、雰囲気に重々しさが欠けるというような文脈で「生まれも育ちもハリウッド」とよく書かれているティルソン・トーマス。彼はその通りロサンゼルスの若い頃の思い出話が大好きです。私はそれを聞くと、MTTも普通の60歳代の人間なのだなと感じます。

サンフランシスコ交響楽団では、シーズンオープニングイベントの一環として、9/22(土)に家族全員で来てもらうコンサートを開催します。

これは米小売業のTargetがスポンサーで、大人10ドル、17歳以下の子ども1ドルにチケット料金を設定し、Target Family Nightと題し家族全員で来てもらおうというもの。

サンフランシスコ交響楽団のコミュニティに対するコミットメントとしてシーズンオープニングに行うそうなのですが、値付けが大胆。この値段なら全員で出かけられます。彼らは野外の無料コンサートもやっていますが、今回はデイビスホールでもっとじっくり聴いてもらおうという企画。

このTargetという企業は、衣料品・家庭用品・家具・電化製品などの大規模店舗を全米に展開している上場企業だそうですが、その週に3百万ドル以上を地域への様々な社会貢献活動に拠出するそうです。ウェブサイトを見ると、ディスカウントストアとは違っていて、一定以上のクオリティとブランド感がある品揃えのファミリー向けのお店といった印象を受けました。顧客層がまさに今回のコンサートのターゲットで、シンフォニーが顧客に引き込みたくて必死な層と一致していると思います。サンフランシスコ交響楽団は、こういうマッチングをよく考えています。

コンサートの前にはロビーでイベントもあり(彼らはスペシャルイベントでは、毎回のようにアトラクションをやっています)、飲み物が出るそうです。目に留まったのは、「7歳以上の子どもにおすすめします」とあること。彼らは子ども向けのコンサートでは必ず対象年齢を表示しています(バリエーションがある)。せっかく来たのに楽しめないという思いを大人も子どももしないような配慮があるのです。

指揮:James Gaffigan
プログラム:
Gershwin / Cuban Overture
Bartók / Rumanian Folk Dances
Brahms / Hungarian Dance No. 1 in G minor
Saint-Saëns / Bacchanale from Samson et Dalila, Opus 47
Beethoven / First Movement from Symphony No. 7 in A major, Opus 92
Prokofiev / Excerpt from Scythian Suite, Opus 20
Piazzolla / Oblivión
Falla / Three Dances from The Three-Cornered Hat

サンフランシスコ交響楽団のプレス発表
私はティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団の16分音符の刻みがとても好きです。例えばマーラーの交響曲1番の4楽章、4番の1楽章、5番の5楽章など。もうずっと16分音符だけ弾き続けてもらいたいくらい。ただ16分音符を刻んでいるだけなのですが、その均等な響きはとても新鮮で美しいのです。

この16分音符は、彼らの音楽づくりのベースになるキー要素の一つだと思います。

ティルソン・トーマスは、クラシック音楽が用いてきた様々な民俗音楽とか教会音楽、軍隊音楽、世俗的な音楽などの断片を浮かび上がるように聴かせたいそうなのですが(方々で繰り返し語っています)、多分構造の枠組みがきっちりしていないと、こういういろいろなパーツがはめ込んである音楽には聴こえない。

だからサンフランシスコ交響楽団のメーキング映像を見ると、ティルソン・トーマスは正確性ということにものすごく厳しいし、長年の習慣でやっていますみたいな歌いまわしは、徹底排除。そうやってベースをきっちりつくったところに、いろいろな断片が組み合わされることで、はじめて断片が浮かび上がってくるし、パズルのパーツがはまるように決まるのだと思います。

彼らの16分音符は、他の何ものでもない練習の成果なのです。
ハワイで毎年12月に行われるホノルルマラソンの人気が高まっていて、旅行各社はツアーを強化の上前倒しで販売する計画だという新聞記事を読みました。個人のブログでもホノルルマラソンに向けてのトレーニング日記を公開しているものが人気みたいです。

うちも結婚10周年のときに何か記念になることをやろうということで、ホノルルマラソンに参加したことがあります。その時も年明けからトレーニングしました。

私はちょっとこれ以上ないくらい運動が苦手で、市民ランナーの方とはまるで違う行動範囲で生きてきたため、土日のランニングスポットというのが、それはもうカルチャーショックでした。ファッションからランナーの掟みたいなものまで何もかも。そして市民ランナーの数の多さにも圧倒されました。

ツアーも専任コーチが何人もつく本格的なものだったのですが、成田に集合したときにジャージ姿の参加者が何人もいてびっくり。ホノルルに着いてからも朝練があったのですが、うちだけ起きられずに不参加。

そんな調子だから6時間台だったのですが、完走できて楽しかったです。街はトロピカルなのにクリスマスのイルミネーションがいっぱいだし、ハワイのカラっとした気候の中を走るのは気分がいいです。地元のおばあさんが椅子持参で、何時間も通るランナーに「You are all winners!」と書いた旗を振って応援している姿に感動しました。

旅行会社のキャッチコピーに「あなたもホノルルマラソンに出て人生を変えてみませんか?」というのがありました。私はマラソン完走したくらいで人生変わるとは思いませんが、楽しい思い出になることは間違いないと思います。

その後わが家にマラソン文化は根付いたかというと、これが全く根付かなかったです。やはり本当に好きなことしか残らない。かくして粛々としたクラヲタ生活へ戻るのでした。
今でこそコンビで活躍しているティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団ですが、ここに至るには波乱万丈の歩みがあったようです。

一番大きなできごとは、ストライキ。

1996年から1997年にかけて67日間にわたり、43コンサートもキャンセルになったそう。1993年にティルソン・トーマスが次の音楽監督になることが決まって最初の客演も、ストライキでキャンセルされていたというからお構いなしです。

この大きなストで、一般的な給与や年金の他にヘルスケアというのが争点になっていたのに目がいきました。過密なコンサートやリハーサルなどにより、精神的なストレス疾患を訴えるミュージシャンが多くいたのが原因だそうです。この医療費をシンフォニーがどのくらい負担するかで大モメになり、ストライキに突入してしまったのだとか。1996年のヨーロッパツアーでは、会場で組合がビラをまいたというから、相当強烈。

当時の詳しいことはわからないのであくまで推測ですが、組合が折れなかった根底には、ティルソン・トーマスが課した厳しいリハーサルや練習しないとできないような表現の数々、演奏したことのない曲の嵐に、ミュージシャンたちは今までと同じ労働条件ではつき合いきれないという感情もあったのではないでしょうか。

このときの労使双方の損害は甚大で、それ以後こうなるのだけは避けようという空気があるらしいです。

この他にも1998年に長年勤めたコンサートマスターをティルソン・トーマスが切り、2001年に今のバランチックをロンドン響から連れてくるまで空席だったというから、それも驚き。

ティルソン・トーマスがサンフランシスコにやって来て、「これからはアメリカンで行く」と言い出したときも、「そんなことしたら、昔からのお客さんが離れるんじゃないか?」と懸念されたみたいです。本人は「コンサートの最初から最後までやるわけではないし、せいぜい10~15分だから平気」と自信たっぷりだったようですが、ふたを開けたら本当に平気で良かった。

そしてもう一つの大波、CDを自主レーベルで出すか否かという一件があり、それがうまく行ってオーケストラがサンフランシスコ以外でも評価されるようになって、今日へ続くわけです。

継続しているものには慣性の法則が働くので、今までと流れを変えるとか新しいことを始めるというときには、そこで生じる抵抗を乗り越えなければならないということなのでしょう。MTTは皆の協力を得る努力をしている一方で、妥協や譲歩一切なし、通った後は死屍累々みたいな雰囲気があるから、ひるまず押し通して今日につなげられたのではなかろうかと思います。
韓国ドラマの「宮廷女官チャングムの誓い」フェスティバル・イン東京ドームなるものが8/11に開催されるということをつい最近知りました。主演のイ・ヨンエさんをはじめ、ほとんどの主要キャストがアシアナ航空の「大長今」チャーターで来日するという4万人規模の大イベントで、地方から参加される方のために宿泊とセットになったツアーまであるみたいです。私はティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団に気を取られていて全然そのイベントを知らなかったということと、「チャングムブームはまだ続いていたのか?」ということに驚きました。

「チャングムの誓い」、私も見ました。そして「いざ行かん、韓国へ。ドラマに出てきた料理を食べに!」と出かけて行った一人です。

料理監修をした方の宮廷料理のお店はもちろん、冬虫夏草などの漢方素材がたっぷり入った鴨鍋、饅頭(マンドゥ)など。

特に冬虫夏草の入った鴨鍋は食べたことがなかったので、どうしてもトライしたかった。ガイドブックにも情報がなかった(当時)ため、NHKのドラマの最後にやっていた「チャングムミニ事典」で出てきたお店の看板に書いてあることをビデオを止めて書き写し(ハングルを読めないため何が書いてあったかは不明)、ホテルのコンシェルジェで「これしか情報がないけれど、ここへ行きたい」と言ったら、韓国の方は親切なのでスタッフ3人がかりでいろいろ調べて教えてくれました。念願の鴨鍋はちょっとクセのある味で、好物になるようなものではありませんでしたが、何か身体に良さそうな風情は漂っていました。

饅頭の方は、これも「チャングムミニ事典」に出てきた映像がおいしそうだったのですが、こちらは「おばあさんが店頭で饅頭を包んでいる」ことしか情報なし。ガイドブックの饅頭のお店を片っ端から調べて、「おばあさん」をキーワードにあたりをつけ、お店に行き着くことができました。饅頭は蒸し饅頭がおすすめです。スープもおいしいのですが、蒸しの方が皮や餡の味をはっきり感じることができます。

この他にも、ちびチャングムの名場面、「柿でございます」の柿が日本の柿と味が違うらしいということで、これも試さねばと市場へ。小ぶりで熟していてやわらかいのですが、思ったよりもすっきりした味でした。

チャングムもMTT&SFS活動もノリは全く同じ。ガッツあるのみ!
うちで加入している衛星ラジオのミュージックバード「THE CLASSIC」は、8/4・5の二日間にわたり、デュダメル&シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ特集でした。二日に渡って彼らの音楽をじっくり聴き、私はえらく感心してしまいました。

技術的にも音楽的にも高水準だし、何よりも音楽が一つになっていて元気いっぱい。一日目のマーラーの交響曲第5番も、思ったよりも全然良かったですが、やはり二日目にやった南米音楽が圧巻でした。これでもかというくらいラテンパーカッションが炸裂して、サンバやマンボが続くのですが、誰もかなわないと思いました。客席も非常に沸いていました(ただし、私は鑑賞対象の音楽というより、彼らがここまでつくり上げてきたこと自体に意義がある音楽だと思います)。

番組で紹介していましたが、ベネズエラには130のユース・オーケストラと60の児童オーケストラがあるそうです(人口は約2,400万人で東京都の約2倍)。今のオーケストラ環境をつくるのに30年かかったのだとか。

すっごく昔の話になりますが、私は大学のとき民族音楽学のゼミに入っていて、卒論では非西欧の国において国家が近代化していく中で、その国の音楽と西洋音楽をどう音楽教育の中で扱うのかということがテーマでした。彼らの音楽を聴き、その時考えたことなどを思い出しました。

やはりサンフランシスコ交響楽団のアメリカンもそうですが、自分たちのアイデンティティになる音楽を披露できるということは重要だと思います。これはその人たちにしか表現できない世界ですから。

これはもう、ベネズエラへ音楽教育の現場を見に行くしかない?!

デュダメルは1小節の中で拍がぶれるのが気になりますが、これは彼が拍を均等にする必要があるとは思っていないことに起因するのでしょう。このことがどう出るかは、彼が「若いエネルギーって素晴らしい!」と言われない歳になったときのお楽しみでしょうか。ちなみにフロリダで音楽教育をやっているアメリカンなマエストロのところでは、拍は均等に振りましょう、拍の頭に正確にあてましょうと指導しています。
ティルソン・トーマスはサンフランシスコ交響楽団の音楽監督になったとき、サンフランシスコに当地の建築様式で建てられた家を買ったそうです。彼がこのことについて地元紙のインタビューで、「オーケストラがコミュニティの一員になるためには、自分もコミュニティの一員になる必要があり、そのために家は重要だと思った」というようなことを答えているのを読んだことがあります。

私はこの話がベースにあったためか、4月に金沢の21世紀美術館でオーケストラ・アンサンブル金沢の井上道義音楽監督のトークイベントに行ったとき、彼の口から

「東京に帰らなければならないので、時間がない」

という言葉が出たのを聞いてショックでした。その時彼は、翌日午前中から次の仕事のリハーサルがあってやむを得なかったのですが、

「東京に帰る」

という言葉が、何か(音楽監督であっても)「金沢は本拠地ではない」と言っているようで、これを聞いた地元の方はどう感じるのかな?と思いました。オーケストラ・アンサンブル金沢は公演数が多くはないので、実際に金沢に住むのは無理でしょうが、地元のファンに配慮した別の言い方があったのではないかと思います。

こういう地元の人目線とか、ちょっとしたお客さんとのコミュニケーションということを、ティルソン・トーマスは非常に意識していると思います。

例えば、お客さんになじみがない曲を取り上げるときにちょこっと曲についての話を加えるとか、コンサート中に客席がふっと和むようなことを何かするとか。ウィーンではドイツ語で、プラハではチェコ語で客席に向かってスピーチしていました。あまたの来日公演がある中、日本語でお客さんとコミュニケーションしようとするのは、オペレッタが日本語でギャグをかましてくるくらいなのではないでしょうか。

多分こういう積み重ねが、お客さんに受け入れられることにつながるのでしょう。日本のオーケストラも常任ポストの条件として、「日本に生活の拠点を設ける」ことと「日本語をマスターする努力」を必須項目にすればいいのにと本気で思います。それくらいの条件を出しても当然なくらい、日本のマーケットはプレゼンスがあるのではないかと思います。

それがいやな「ビッグ」「スター」「巨匠」の方々には日本以外でご活躍いただき、日本は日本の若手に「3年間は途中でガタガタ言わない」「プログラムと人選の全面的な権限」付でチャンスを与えるくらいのことをした方が、オーケストラにも観客にもプラスになるのではないでしょうか。もうそういう段階に来ていると思います。
今日はMTTネタをお休みし、食べ物の話題です。私は「何が食べたい?」と聞かれると、必ず「中華!」と答える中華料理好き。そして北京ダックが大好きです。

先日、三井不動産レジデンシャルの広報誌「こんにちは」を見ていて、目がそこで留まった記載がありました。「建築家・添田浩のワンダー・レシピ」というコーナーで、北京ダックのサンドイッチを紹介していたのですが、

白髪ねぎをつくるときに、ねぎの繊維に対して包丁を斜めに入れて切ると、「繊維が短くなってかみ切れる!!」

と書いてあったのです。北京ダックは包んであるものを食べるとき、一口ではさすがに大きいので、たいてい二口で食べるかと思います。そして1口目をがぶっと行くと、たいてい白髪ねぎがかみ切れない。ここでどうすべきか考えるのですが、たいていはあきらめてそのままねぎをするっと抜いて食べてしまう。そうすると二口目はきゅうりとダックだけになってしまうのです。

北京ダックはねぎの辛味とダックの皮のパリパリ感、ジュワーっとしたたる脂、そして甜麺醤の甘みが揃ってこそおいしいので、私はずっと「どうしたら二口目にもねぎを分配できるか?」と模索しておりました。

もしかして私は前歯の噛み合わせがイマイチ良くないので、かみ切れないのは自分だけかとも思っていたのですが、皆そうだったのですね。やはりねぎの繊維に平行して美しく作った白髪ねぎはかみ切れないのです。このことを問題視(?)していたのが私だけではなかったことに、非常に勇気づけられました。

この添田さんのコーナーは毎回おいしそうなレシピばかりで、私は毎月楽しみに見ています。イラストで紹介されているのですが、そのイラストが非常に楽しい。添田さんに限らず、いわゆる「男の料理」ものは、発想が自由なものが多くて面白いです。そしてやはり国内でも海外でもいろいろ食べる経験を重ねることが重要なのでしょう。音楽と重なる部分が大きいと思います。


こちらも料理する楽しみを伝えている本です。
ラ・ロシェル坂井宏行が提案する大人の厨房 ラ・ロシェル坂井宏行が提案する大人の厨房
坂井 宏行、小野 幸恵 他 (2007/05)
近代映画社
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サンフランシスコ交響楽団には、SFSメディアという自主レーベルがあります。今はロンドン響やコンセルトヘボウ、そしてシカゴ響と、いろいろなオーケストラが自主レーベルでCDを制作しているので、珍しくも何ともありませんが、サンフランシスコ交響楽団はCDだけでなく、映像作品も自主制作しており、私はそのことの効果が意外に大きいと見ています。

どうしてそう思うかというと、彼らの海外公演。今年彼らは多くのヨーロッパの音楽祭に出演しますが、例えばエディンバラ音楽祭のサイトでは、他にも参加オーケストラがいくつもある中で、サンフランシスコ交響楽団だけが自己紹介のビデオクリップを見られるようになっています。

またプロムスでは、KEEPING SCOREのコープランド編のドキュメンタリーの上映も予定されています。プロムスは本当に多くのオーケストラが参加しますが、このような企画があるのはサンフランシスコ交響楽団だけです。

なぜこのようなことが出来るかというと、彼らは映像作品を自主制作していて著作権を持っている。だから作ったものを自分たちの判断で自由に使えるのです。

例えば、日本のテレビでオーケストラに関する番組を作っても、著作権はテレビ局が持っている。だから後からオーケストラが自由に二次利用できたりはしません。サンフランシスコ交響楽団は、その点マーラーの録音でも映像でも作ったものを最大限利用しています。

自主制作したドキュメンタリーが、まず全米にテレビ放映され、DVD化される。次にヨーロッパや中国にも放映権を販売し、そして今またオーケストラの活動紹介として海外公演でも利用される。

サンフランシスコ交響楽団のビジネスセンスが光っていると思います。


二次利用にがんばっているコンテンツ。マネジメントの人たちがこんなにビジネス展開してくれれば、MTTも身体を張って頑張った甲斐があったというものです。
Keeping Score: Revolutions in Music Keeping Score: Revolutions in Music
Copland、Sfs 他 (2006/12/12)

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ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団が2001年にマーラーのレコーディングプロジェクトを開始したとき、既に彼らによる録音が発売されていたために、プロジェクトの一連の作品に唯一入っていなかった「嘆きの歌」が、リマスタリングされて発売されることになりました。

Mahler: Das klagende Lied Mahler: Das klagende Lied
Sergei Leiferkus、 他 (1997/05/20)
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これは1997年にBMGから発売されたものなのですが、今回リマスタリングし、ソニーの5.1デジタルサラウンドのSACD(ハイブリッド)でSFSメディアから発売されます。

ヨーロッパは彼らのヨーロッパツアーに合わせて発売、SFSストア(ウェブ)では8/23から、北米の小売店では9/11から販売予定。

これでシリーズのラインナップは完璧。サンフランシスコ交響楽団のプレス発表では、おそらく次にリリースされるであろう交響曲第10番からAdagioとリュッケルト歌曲集の予定が何も書いてありませんでしたが、昨年の5番からちょうど1年ですから、そろそろでしょう(彼らはグラミー賞の対象期間を考慮してリリースしているのではないかと思われます)。

マーラー「嘆きの歌」
1996年5月29-31日、6月2日デイビスシンフォニーホールにてライブ録音。
日本のディストリビューターはAvie
Soprano:Marina Shaguch
Mezzo-soprano:Michelle DeYoung
Tenor:Thomas Moser
Britone:Sergei Leiferkus
SFS Chorus

サンフランシスコ交響楽団のプレス発表はこちら
8月下旬からヨーロッパの音楽祭に出演するツアーを行うティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団。お出かけ前に「Bon Voyage!」と題したコンサートを開きます。

まずご紹介するのは、イエルバ・ブエナ・ガーデン(写真)での無料コンサート(8/24)。

Yerba Buena Gardens


この公園は、ソーマというすぐ近くにサンフランシスコ近代美術館もあるアートな地区にあります。注目すべきは平日のお昼12時からのコンサートだということ。オフィス街からも近いので、ビジネスマンも外でランチを取りながら聴くことができます。こういう設定がサンフランシスコ交響楽団らしい。

曲目は、ヨーロッパ公演で取り上げる曲からの抜粋。彼らは海外公演に行くという自分たちの活動を皆に知ってもらう場をきちんと設けています。

もう一つのコンサートは、デイビス・ホールが会場(8/23、チケットは18~66ドル)。こちらのプログラムもヨーロッパ公演で取り上げる曲ですが、4月以降にコンサートで演奏していない曲ばかりが並んでいます。要するに一度お客さんの前で演奏して出来をチェックしてから出かけようというもの。いつもながら用意周到なティルソン・トーマス。

ティルソン・トーマスはヨーロッパツアーに向けて、曲の練り上げは順調なのでしょうか?サンフランシスコ交響楽団は、とにかくMTTの練り上げとチームワークで押し切るしかない。だから一にも二にも彼の練り上げにかかっている。がんばっていただきたいです。

超各論で恐縮ですが、今回のツアーでやるマーラー7番の5楽章の最後から2番目の音。いったんディミヌエンドしてからクレッシェンドして最後の音に入るの、あのアイディアは考え直した方がいいと思うよ!
プロフィール
 

潮 博恵

Author:潮 博恵
MTT&SFSの音楽センスと革新的な活動に感銘を受け、ブログを開設。

【続・徹底研究】ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団で、よりわかりやすく彼らの活動と最新情報をご覧いただけます
続・徹底研究MTT&SFS


著作権分野の英文契約書作成等の行政書士をやっています。
うしお行政書士事務所

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