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NBSニュース2007.8の佐々木忠次さんのコラムに、来年のウィーン国立歌劇場の来日公演の演目の中で、当初ティーレマン指揮の「マイスタージンガー」の予定が、ムーティ指揮の「コジ・ファン・トゥッテ」への変更があって、これは一部歌手が現地ウィーンでの6倍ものギャラを要求してきたために、やむを得ない決断だったのだとありました。

私はムーティのモーツァルトが好きだし、コジは彼のお得意演目であるということを考慮しても、今聴きたいのはティーレマンのワーグナーだと思うので、この変更を残念に思います。

何でも来日オペラの招聘事業への新規参入組が破格の条件での実績を作ってしまうので、それをベースに条件提示されてしまうらしいです。こうした公演は大手企業のスポンサーがついているので、破格のギャラを払うことができるのだとか。全く嘆かわしいことです。

日本だけが一部の歌手に破格の金額を払っているという状況は明らかにおかしいし、その歌手のためにもならない。

もしスポンサー企業が文化を育てるという視点であれば、こうした案件は手がけないと思うのですが、企業は純粋にオペラの高級イメージに着目して広告宣伝としてスポンサーになっているだけでしょうから、あながち非難はできません。

さらにこうした行為の結果はチケットの値段にも反映していると思うのですが、消費者も外から見た限りでは、破格のギャラで呼んできた公演かどうかなんてわからない。また一流だと宣伝しているものを本当に一流か自分で見抜けと要求するのも無理。

いろいろ考えてみると、私は究極的には、歌手の側に日本で歌うメリットがお金しかないことが影響しているのかなと思います。もし日本で歌うことが歌手としてのステップアップに欠かせないと思えるのであれば、足元見て破格のギャラを要求するなんて話にならないのではないでしょうか。

お金以外の価値があると思わせるためには、聴衆の反応のシビアさとか、評論が機能していること、日本で歌った評判が海外にも伝わるかとか、そういうことの積み重ねなのでしょうが、結局は、日本の国力とか国際社会でのプレゼンス、日本人が尊敬すべき対象と見られているかとか、そういうことにつながるのだと思います。道は遠いです。

私は今年サンフランシスコ交響楽団のウィーン公演に行きましたが、東京では感じたことのない緊張感がオーケストラにありました。オーケストラの評判をかけた真剣勝負の空気がウィーンにはあるのです。彼らは現地のお客さんの反応はもちろん、評論を注視していてその結果を今後に生かすと言っていました。東京の場合、興行マーケット的な影響力はあっても、そこでの結果がアーティストの今後にとって重大だったり、評論が影響力をもっていたりはしないように思います。そういう点もヨーロッパの大都市やニューヨークなどとの違いなのではないでしょうか。

まずは日本人自身が世界を見て、客観的な現状認識をすることから始めるしかないのでしょう。
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潮 博恵

Author:潮 博恵
MTT&SFSの音楽センスと革新的な活動に感銘を受け、ブログを開設。

【続・徹底研究】ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団で、よりわかりやすく彼らの活動と最新情報をご覧いただけます
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著作権分野の英文契約書作成等の行政書士をやっています。
うしお行政書士事務所

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